独立と新たな人生の始まり
- MIKIHIKO NISSATO
- 3月24日
- 読了時間: 5分
サラリーマン生活からの卒業
2024年12月31日、約34年間に渡るサラリーマン生活にピリオドを打ち、翌日の2025年1月1日に独立しました。その日のことを思い出すと、地に足がつかないようなフワフワした感覚がありました。長い間、組織に所属していたため、会社という見えない存在に守られていたのでしょう。そんな後ろ盾がなくなった途端、私は宙を歩くような浮遊感とともに、自由を手に入れました。会社の人間関係、命令系統、そして時間からも解放され、それは私が長年追い求めてきたものでした。
しかし、同時に大きなプレッシャーも襲ってきました。これからどのように生計を立てていくのか、本当に生きていけるのかという不安や恐れです。それも自由を得たことによるトレードオフであり、覚悟の上でした。
毎月25日になると給料が“チャリン、チャリン”と私の口座に振り込まれてきました。約34年間、約400回に渡り、働きの良し悪しに関わらず、ある程度の金額が必ず振り込まれ続けたのです。この振込中毒を断ち切ることができるのか、これが私にとって最大の壁でした。
「幸福」を後回しにした人生
私たちの多くは「努力すれば成功する。そして成功すれば幸せになれる」という図式に囚われています。
このような言葉を聞いたことはないでしょうか?
「学校で良い成績を取って有名中学校、高校、大学に行けば、きっと幸せになれる。」
「良い会社に就職できれば、幸せになれる」
「会社で目標を達成すれば、幸せになれる」
「素敵な人と結婚して、素敵な家庭を築けば、幸せになれる」
「ある程度の大きさで、暮らしやすい家を建てることができたら、幸せになれる」
「会社で出世して、年収が○千万いけば、きっと幸せになれる」
「定年時には〇〇〇万円あれば、幸せになれる」
「環境設備、サービス抜群の老人ホームに入れれば、幸せになれる」
そして、ある人は最後にこう言うのです。
「葬式は盛大にして、沢山の知人や家族に見送られたら、きっと私は幸せになれる」
次々と目標を設定し、それを達成することで初めて幸せを得られると思い込んでいるのです。幸せを先送りにする生き方です。しかし、実際にはどうでしょうか?もしこの図式が正しいのであれば、良い学校や一流会社に入った人は皆幸せであるべきです。経済的にも裕福で、地位と名誉を獲得した人は皆幸せであるべきです。しかし、現実にはそうではないようです。数多くの成功した人や名声を得た人が自ら命を絶ちました。この図式の中で私たちが生きている限り、有名大学に入ったとしても、会社で昇進・昇格しても、何かの目標を達成しても、成功のゴールは更に遠くに押しやられてしまい、きっと人はいつになっても幸せになれないと。
幸せから始める生き方
私がたどり着いた答えは、逆の発想です。つまり、「既に幸せである」という状態からスタートし、そこから力を注ぐことで最終的に成功へとつながるという考え方です。幸福感からスタートし、成功は後です。幸せだから成功するのです。力を注ぐことを傍から見れば、努力しているように見えますが、当の本人は幸せで楽しんでやっているので、決して努力を苦とは思わずに行動していることでしょう。
「I am enough! 私は満たされている」
この信念を大切にしながら私は生きています。あるがままの自分を受け入れ、今ある幸福を土台にして行動することで、自然と努力や行動が楽しみに変わっています。努力が苦しみではなく、喜びに変わる瞬間を大切にしています。
人とのつながりがもたらす奇跡
私が独立した途端、本当に多くの人が私に手を差し伸べてくださいました。大変お世話になった先輩講師はランチをご馳走してくださいました。そして、一緒にお仕事をやりましょうと1年に渡る大型案件を紹介してくださいました。またある方は有名企業の社長さんを紹介してくださり、場をセッティングしてくださいました。また別の有名企業の方は雑談だけで、面接無しで私と契約を締結してくださいました。他の別の方は、「新里さんの豊富なマネジャー経験を基に管理職研修をやってください」とある大手ビール飲料メーカーのお仕事を依頼してくださいました。
感謝の気持ちを胸に
私にとって奇跡の連続の日々が続いています。特に営業はしていないにも関わらず、今ある案件は全ていただいているものばかりです。感謝の言葉以外ありません。私がこうして生きていられるのは親切にしてくださった人のお陰によるものです。私の努力や頑張りによるものではありません。だからこそ、私は手を差し伸べてくださった方々の好意に応えるべく、私にできることは最大限の準備をし、期待以上の研修やコーチングを提供することです。身が引き締まる思いで日々を過ごしています。
4年間に渡るサラリーマン生活に終止符を打ち、経済的な不安を振り切ることができたのは、自由への渇望が勝ったからです。そして、”I am enough! 私は満たされている“という信念を文字通りに生きたいと決心したらからです。
支え合うこと
先日、ある場所で私の退職と独立についてお話しする機会がありました。数日後、友人の一人が私に笑顔でこう言ってくれました。
「ずっと馬に関連する仕事がしたいと思っていました。でもずっと躊躇していました。けれど新里さんの話を聞いて、私も人生を好きなように生きようと決めて、乗馬クラブで働くことになりました。ありがとうございました!」
私の体験談が、ひとりの人の背中を押すことができたことを本当に嬉しく思いました。
私のためにお仕事を紹介してくださる多くの方々。そして私の物語で一歩を踏み出すことができた友人。人は支え合い、つながり合って生きているのだと実感しています。
感謝の言葉以外にありません。
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